のど越しの良い食事
高齢になると、どうも、のどの調子が良くなく、食物が嚥下しにくくなります。歯の調子も良くなく、噛むことが苦手になってくると、硬いものをかみ砕くこともしんどく、また、唾液も少なくなるので、食塊が小さくならずに嚥下しなくてはなりません。それではと、食材を細かくした刻み食などが提供されますが、刻んでいるだけではパサパサ感があり、のどに引っ付くような感じで食事は進みません。食塊が気管に入らないように食道にスムーズに入るようにするには、食べる時の姿勢にもよりますが、ベッドを起こして食べる事、食堂に移動できる方は、椅子式で食べる事が進められます。また、食事は、柔らかいものになりますが、見た感じ、ドロッとしているミキサー食は、水分が多く規定のたんぱく質が摂取できません。肉類も魚介類も高齢者には必要ですが、肉の繊維が固いと噛む砕くことができません。肉を柔らかくする手法は昔から実施されていますが、酒類に浸けておく、たんぱく分解酵素を含んでいる果物や野菜の漬け汁に浸けておくことなどがあります。酢豚にパイナップルを入れ、大根おろしで煮るみぞれ煮など、また、片栗粉を付けて柔らかくする治部煮などはそれぞれの理屈があるのです。昔から片栗粉を使用する「あんかけ」は食べやすいものです。今では、とろみ剤を使って、食道にスムーズに流れやすい方法をとっています。調理したお浸しも細かくして、とろみ剤を混ぜると嚥下しやすくなります。また、ゼラチンで固める方法もありますが、ゼラチンは温度管理が必要なので、調理から喫食までが長い場合は不適かもしれませんが、口中温度で溶けますので嚥下には最適な食材になります。環境を考えて嚥下がしやすい補助剤を有効に使うことです。
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